長崎県波佐見町は、雨が降ったり曇ったりのどんよりした天気です。
ジビエ処理場を営むモッコの代表ジョウゴでございます。
最近あまりイノシシ搬入がなくて困っているのですが、
今日は弊社搬入ナンバーワンの辣腕猟師さんが丸々したメス個体を持ち込みいただきました。
こちらのイノシシ42キロですが、お腹に子を抱えておりました。
この地域で、今捕獲できるのは皆さん有害鳥獣駆除隊員として、
田畑などに害を与えるイノシシなどを自治体から委託され駆除されている方です。
動物としては可愛いウリ坊ですが、少し大きくなると一目散に田畑を荒らす農家の敵になります。
だからこそ、田畑の作業が本格化する前に、捕獲することが求められます。
ウリ坊が可愛いそう、そんな動物愛護の方がいらっしゃるのは事実ですが、
長い時間をかけて田畑を整地して、肥料などコストをかけて
お米や野菜を育てている農家さんにとって収穫物を横から奪われるのは、
本当に、死活問題で、実際に害獣被害により離農された方を私も多数存じています。
常に、誰かの命に支えられている、
そのことをジビエという営みに携わるようになって、
私自身痛感させられるようになりました。
そして、私たちのお客さまも猪肉を食べていただくことで、
残念ながら捕獲された動物をしっかり活かすことに繋がるはずと思って、
大切にお肉をお届けさせていただいております。
私も、ウリ坊が箱罠に入ると、切ない気持ちになりますが、
だからこそ、この場所で取られないように、山の奥で大きくなるんだよと、
捕獲されていないイノシシに念じながら、命をいただいております。